ほんのいえ宮脇書店越谷店「愛なき世界」【書店員レビュー】

レビュー

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愛なき世界

『愛なき世界』

著者
三浦しをん [著]
出版社
中央公論新社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784120051128
発売日
2018/09/10
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

愛なき世界

[レビュアー] ほんのいえ宮脇書店越谷店(書店員)

本屋さんでひときわ目立つブルーバックにした植物をあしらった見事な装丁。
どっぷりと肩までつからせてもらった気分になる学術的な研究の話も、三浦しをんの独特なユーモアが、お堅いイメージの理系の世界へとやさしくいざなってくれる。作者の徹底した探究心が、物語に説得力をもたらしてくれています。かつて「舟を編む」で辞書作りの世界を描いた深掘り感が今回もたっぷりと漂っている。ストーリーに大きな盛り上がりがなくても、静かにほのぼのと時間が流れていく小説が成立するんだなとあらためて感じさせてくれる。これもひとえに作者の力量なのでしょう。次のテーマが何になるんだろう、と先走った期待感さえわいてくる。登場人物にキャラが立っていて、映画化も十分にありえるでしょう。

トーハン e-hon
2019年02月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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