『バッシング論』先崎彰容著

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バッシング論

『バッシング論』

著者
先崎 彰容 [著]
出版社
新潮社
ジャンル
社会科学/社会
ISBN
9784106108167
発売日
2019/06/17
価格
814円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『バッシング論』先崎彰容著

[レビュアー] 産経新聞社

 毎週のように起きる炎上事件。右も左も敵へのバッシングに明け暮れる時代だ。政権批判か擁護かの政治的対立は、いまや相手を悪とみなして全否定する極端な二分化状況に至った。多くの知識人が政治的扇動や罵倒に明け暮れ、人々の言葉は荒廃している。

 現代をそう診断する思想史家の著者が示すキー概念が「辞書的基底の喪失」だ。辞書のように物事の意味が安定した時代が終わった結果、常に新規性と現状否定を求める精神的不安定が生じた。財務事務次官のセクハラ更迭、粗雑な「戦前回帰」論の流行、譲位と保守のねじれ…。鋭く真摯(しんし)な時評集だ。(新潮新書・740円+税)

産経新聞
2019年9月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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