20年以上アウトプットを継続する人気ブロガーは「note」をこう使いこなしている! 月間アクティブユーザー2,000万人超えの急成長SNSで、書けない、続かないを卒業!

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20年以上アウトプットを継続する人気ブロガーは「note」をこう使いこなしている! 月間アクティブユーザー2,000万人超えの急成長SNSで、書けない、続かないを卒業!

[レビュアー] 田中稲(ライター)

 私には、放置して半年以上経っているnote(手軽に投稿できるクリエイターと読者をつなぐサービス)の無料マガジンが2つある。そして「更新しなければ」と、ずっとずっと気になってはいる。

 この「気になってはいる」というのは本当に厄介で、同じ経験がある人はわかっていただけると思うのだが、そんな状態のとき、『noteではじめる 新しいアウトプットの教室 楽しく続けるクリエイター生活(できるビジネス)』(コグレマサト・まつゆう*著/インプレス刊)のようなハウツー的な本を読むのは賭けである。ヒントやきっかけを得てやる気が出るかもしれないし、一方で、書籍にして出版できるほどnoteで順調にアウトプットしている著者に対して劣等感を抱き、よけいにnoteから遠ざかる可能性もある。

 が、私は賭けに勝った(ほっ……)。読み出した結果、幸運にもやる気スイッチが入った!

 まず、書き方がシンプル。これはとても助かった。オレオレ成功者目線ならどうしようかと思ったが、コグレマサトさん、まつゆう*さんが記すnoteのヒントには、ご本人たちが経験した悔しさや迷いから掘り起こしたアドバイスも多かったのだ。

 例えば、第2章「マイルールをつくり、従う」では、「これで成功しました」というマイルールではなく、noteだけではなく「書く」ということの楽しさ、さらには「つまずきポイント」も体験談を含めていねいに綴られている。まるで、著者たちが「私たちも忘れないようにメモっておきます! 一緒に読んでね」と共有してくれるかのように。

 Twitterと組み合わせて書く、という項目は、Twitterを「noteを書いたから読んでね」という告知でしか使っていなかった私にとっては、大きな発見。また、グッと気が軽くなったのが、「いいね」の数には左右されなくていい、ということだ。noteに限らず、SNS全体であまり「いいね」がつかないと自己満足っぽくて悲しくなっていた。更新頻度が減ってきたのもそのせいだった。しかし反応を示さないだけで、読んでくれている人は意外に多くいる、ということを、読んで改めて思い出したのだ。

 見落としていた機能を知ることはできるのはもちろん、カチカチに決めつけていた見方や思い込みをスッと取り去ってくれたのは、本当にありがたかった。

ひとり叫ぶのもいいけれど 呼応し合えばもっと広がる

 noteにせよブログにせよ、表現の行きつくところは対面と同じ。マナーと誠実なやりとりが重要だ。

 もちろん、一方通行でも構わない、伝えたいことを世界中に伝える! という熱い気持ちをアウトプットできるのも昨今のSNSの醍醐味だが、第6章の「仲間を見つけて刺激し合う」は、だからこそ逆に印象に残った。誰だって自分の記事を読んでもらったら嬉しいし、面白い書き手がいたら、気になる。コグレマサトさんによる「自分一人ではたどりつけなかった境地に、どんどんいける」という一文。ツールは大事なのだが、やっぱり基本にあるのは「人」なのだと思い出す。それをコグレマサトさんとまつゆう*さんが柔らかく語りかけてくれているような文章が心地いい。

 「ねえ、noteってどう? 私、止まっちゃってるんだけど」「うん、わかる。あるよね。私もこんなことがあってさ、参考になればいいんだけど……」と、そんな風に著者の2人と会話している感覚が残る。読後、思わず「勉強になった」ではなく「うあ~、なんか救われた」と呟いてしまった。

インプレス
2019年10月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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