【気になる!】文庫 『ひよっこ社労士のヒナコ』
[レビュアー] 産経新聞社
朝倉雛子(ひなこ)は、26歳の社会保険労務士(社労士)。派遣社員から3年かけて社労士試験に合格し、事務所に就職したばかりの新米だが、さっそく顧問先の会社で問題が発生する。元社員が退職理由と有給休暇消化をめぐり怒鳴り込んできた。会社側の言い分とも食い違い、雛子は対処に悩む。
「会社総務のお手伝い」である社労士。収録6編には社員登用、産休、残業代、年末調整などの労務問題が登場する。経験を重ね、やりがいを見いだしていく雛子のお仕事小説だが、各話ちょっとした“謎”があり、その解決ぶりにも引き込まれる。(水生大海著、文春文庫・800円+税)