『中国人民解放軍2050年の野望』矢板明夫著
[レビュアー] 産経新聞社
200万の兵力を有し、日本はじめ周辺国の将来にも影を落とす中国人民解放軍。軍の実権を握るのは党中央軍事委員会だが、では、「国防省」は何のためにあるのか? 産経新聞記者で中国取材のエキスパートが初歩的な疑問から、軍隊の成り立ち、構成上の秘密、目を覆うばかりの腐敗、すさまじい軍指導者の主導権争い、さらに5700万人の退役軍人の不満まで紹介、解説している。
そもそも人民の生活と安全を守る軍隊でなく、習近平皇帝と、その一族を守る私兵である、と著者は断言する。知られざる軍隊の全貌が俯瞰(ふかん)できる。(ワニブックスPLUS新書・900円+税)