山田宏一映画インタビュー集  映画はこうしてつくられる…山田宏一著

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山田宏一映画インタビュー集 映画はこうしてつくられる

『山田宏一映画インタビュー集 映画はこうしてつくられる』

著者
山田 宏一 [著]
出版社
草思社
ジャンル
芸術・生活/演劇・映画
ISBN
9784794224019
発売日
2019/09/02
価格
3,960円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

山田宏一映画インタビュー集  映画はこうしてつくられる…山田宏一著

[レビュアー] 宮下志朗(仏文学者・放送大特任教授)

 著者は、亡き和田誠とのヒチコック映画のマニアックな対談本もある映画評論家。外国の映画人19人への、古くは半世紀以上前に録音したインタビューを再構成した。

 マルセル・カルネ監督の注目点は、ナチス占領期に南仏で撮った『天井桟敷の人々』(1945年)の秘話。50年代後半に始まったヌーヴェル・ヴァーグ(新しい波)に無関心だった『男と女』(66年)のルルーシュ監督の立ち位置も面白い。アラン・レネ監督は、小津映画は身振り全てが「作品全体の旋律を構成する」音符のようと絶賛。ゴダール監督について、俳優ベルモンドは出世作『勝手にしやがれ』(59年)への愛着に触れ、女優アンナ・カリーナは裸を見せる役を頼まれた記憶を語る。

 女優キム・ノヴァクは、『めまい』(58年)でヒチコック監督に、嫌いだったグレーのスーツと黒いハイヒールを試させられ、その気にさせられた経験を回想。「外面を着せることによって、わたしの内面を裸にしてしまった」と彼の映画術の本質を突く。

 インタビューには「批評をしのぐ真実を引き出す力がある」。(草思社、3600円)

読売新聞
2019年11月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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