『頼山陽と戦争国家』見延典子著

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頼山陽と戦争国家

『頼山陽と戦争国家』

著者
見延典子 [著]
出版社
南々社
ISBN
9784864891028
発売日
2019/10/26
価格
2,970円(税込)

書籍情報:openBD

『頼山陽と戦争国家』見延典子著

[レビュアー] 産経新聞社

 幕末最大のベストセラーといわれる「日本外史」。頼山陽が著した歴史書で、尊王攘夷運動に大きな影響を与えた。その山陽は、明治に入ると天皇中心の国家づくりに結びつけられ、昭和6年には没後100年の催しが首相出席のもとで盛大に開かれる。

 本書は、戦争への道を進む近代日本の歩みの中で、山陽の評価の変遷を丹念に掘り起こした頼山陽論。そこに浮かび上がるのは、時の政治に翻弄される姿だ。

 山陽と、彼が称賛した楠木正成に関する指摘も興味深い。両者は戦時国家の国威発揚に利用された末、戦後は消し去られてしまうのである。(南々社・2700円+税)

産経新聞
2019年11月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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