『時間革命』
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“他人時間”に食い殺されないために
[レビュアー] 田中大輔(某社書店営業)
堀江貴文氏が、何よりも大切にしているという「時間」を初めてテーマにした著書が10月の日販ビジネス書ランキングで1位を記録し、好調な売れ行きをみせている。堀江氏が強調するのは「時間ほどかけがえのないものはない」ということだ。お金がなくてもそれほど困らないが、一度ムダになった時間、流れ去ってしまった時間はもう戻ってこないからだ。
その意味では、「Time is Money.」というのは真っ赤なウソで、「Time is Life.」、時間は人生そのものである。だから時間がなくなるのは、お金がなくなるのとはわけが違うのだ。また時間は誰もが平等に手にできる唯一の資産でもある。ゆえに時間の質を高めれば、人生の質も高くなり、誰もが幸せを手にすることができる。
時間には2種類しかない。「自分のための時間」と「他人のための時間」である。人生の質を高めるには自分時間を増やし、他人時間を減らすことが重要だ。ほとんどの人は、自分の人生が「他人のための時間」で埋め尽くされていると気づかずに生きている。他人のせいで時間が奪われている状態とは、「生きながら猛獣にゆっくりと食い殺されている」のと同じだといっても過言ではないと堀江氏は述べる。また「他人時間」を生きるのは、監獄に入っている状態とよく似ているそうだ。
まずやるべきは「他人時間を削ること」である。「他人」という存在はあなたの時間を奪う最たるものである。だから人間関係も「自分」を起点に考え直すべきだと説く。また「自分時間」を生きたいのならば、極力、ウソをつかないほうがいい。本音を隠すたびに、あなたの人生は、どんどん「他人時間」で埋め尽くされていくからだ。
人生における最大のムダ、それは「悩み」の時間である。悩んでいる暇があったらとにかく行動する。そして時間を増やすうえでは、「シンプルに考える」ことが欠かせない。考えても仕方がないことに頭をめぐらせて、貴重な時間をムダにするのは愚の骨頂である。やりたいことがあるなら、いますぐやろう。そうこう考えている間にも着々と時間は進んでいるのだから……。