誰でも「家計の達人」になれる。自分が好きになるお金の貯め方・増やし方

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誰でも「家計の達人」になれる。自分が好きになるお金の貯め方・増やし方

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

ご存知の方も多いと思いますが、『横山先生ド素人の私に教えてください! これからの「お金」の貯め方&増やし方』(横山光昭×マネーフォワード 著、かんき出版)の著者は「家計再生コンサルタント・ファイナンシャルプランナー。

これまでにのべ2万3000人以上の家計相談を行ってきたそうです。

貯め方、節約の方法など、お金に関する悩みは尽きませんが、やり方さえ理解すれば、どんな人でも「家計の達人」に大変身できるのだと著者は断言しています。

悩みが消え、お金を上手に貯められ、さらには増やせるようになっていくというのです。

本書では、多くの方々に共通する悩みを解決するためにポイントを絞り、その大変身の仕方をわかりやすくかわいいイラストとマンガで皆さんに伝えていきます。(「はじめに なぜかお金が貯まらない人必見! これからを生き抜くためのお金の貯め方・増やし方」より)

また、個人向けサービスとして資産管理・家計管理ツール「マネーフォワード ME」を提供している企業「マネーフォワード」とともに、「これからのお金」、電子マネーやキャッシュレス決済、スマホ家計簿など未来を見据えたお金とのつきあい方も解説。

お金の貯め方・増やし方を無理せず身につけることができるわけです。しかし、そのためにはまず基本を押さえておくことが大切。

そこできょうはPART 1「お金ってなあに?」に焦点を当ててみたいと思います。

老後破産に陥らないための3つの方法

2050年に85歳以上となる家庭のうち、48.8%の家庭で金融資産が尽きる、つまりお金がなくなるのだといいます、つまりは「老後破産」に陥る家庭が、約半数に及ぶということ。

だとすれば、決して他人事ではないだけに、手元のお金を増やす=老後資産を準備する必要があります。著者によれば、そのためにできることは次の3つ。

1 収入を増やす

2 支出を減らす

3 お金に働いてもらって増やす

(18ページより)

1の「収入を増やす」に関しては、給料を上げたり、副業や共働きをしたり、というような方法が考えられます。

とはいえ望みどおりに給料が上がったり、確実に儲かる副業があったりするわけではないので、なかなか難しいのが現実でもあるでしょう。

2の「支出を減らす」、すなわち出ていくお金を減らし、手元に残るお金を増やすことは、家計改善によってある程度は可能。ムダな支出が多いほど、効果は大きいわけです。

ただし元になるお金は増えていないので、すでにがんばって節約している方は効果を実感しづらいかもしれません。

3「お金に働いてもらって増やす」は、いわゆる資産運用。家計改善をして貯まったお金を、運用することで増やしていく方法です。

しかし必ず増えるという確証はなく、元本割れするリスクもゼロではありません。そのため、ハイリターンを目指すと必然的にハイリスクになる点には注意が必要。

このように、どの方法にも長所と短所があるため、著者はこの3つのあわせ技を使っていけるようにアドバイスしているのだとか。

その基本となるのが、2の支出を減らすという家計改善。これができていないと、1と3が実現できたとしてもお金が増えるどころか、ザルで水をすくい上げるように減ってしまうというのです。

もしかしたら、支出を減らすべきだと聞くと「苦しい節約や我慢が必要なのではないか」と身構えてしまうかもしれません。

しかし、意識している支出ではなく、意識していない支出を減らせば、無理なく節約できるのだそうです。(17ページより)

家計改善で、お金だけでなく自分自身が変わっていく

家計改善をスタートすると、自分自身も変わっていくのだと著者はいいます。信じられないような話ですが、そこには根拠が。

家計改善をすると自分の家計と向き合うことになり、自分のダメなところや弱いところを実感することになるわけです。

そのため最初はどうしてもくじけそうになるものの、そこがふんばりどきだといいます。

逃げ出さずに改善を続けると、並行してお金が貯まってきます、すると今度は家計改善が俄然おもしろくなってきますよ!

そうなってしまえば、あとはラクラク。手元のお金が増え、老後資金の道筋がつけられます。(20ページより)

なお、家計改善がうまくいってお金が貯められるようになった人には、共通する大きな変化があるのだといいます。

それは、「自分のことを好きになる、自信を持てるようになる」ということ。家計改善でもたらされるものは、単なる数字の変化だけではなく、精神状態や人生への向き合い方までもが変化していくわけです。

具体的には、家計改善のプロセスを通じ、次のようなステップを踏みながら変わっていけるといいます。

お金が貯められない、そんな自分がイヤだ、将来も不安だな

現在の自分と向き合うことで、自分の長所・短所をきっちり把握する

自分の夢や将来の目標を考え、その実現方法を考える

自分に合った方法を実践し始め、無理なくお金が貯まっていく

自分のことを肯定できるようになり、目標達成や安心感を手に入れる

(18ページより)

いわば、未来を変えるためには、「いま」を変えることが大切だということ。

お金の悩みを抱える人は少なくありませんが、家計改善を通じ、どんな人でも変わっていくことは可能だというのです。

たしかにこれは、当たり前のようでとても大切な考え方なのではないでしょうか?(20ページより)

このような「基本」を軸として、以後の章では「ライフプランニング」「資産運用術」「お金の流れの整理の仕方」などが具体的に解説されていきます。

会話形式で話が進められていくので、とてもわかりやすいはず。そのため著者がいうように、多くの悩みを解消できそうです。

Photo: 印南敦史

Source: かんき出版

メディアジーン lifehacker
2019年11月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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