「ものいう仕口 白山麓で集めた民家のかけら」…文・瀧下嘉弘、福井宇洋、月舘敏栄 写真・長谷川健太

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ものいう仕口

『ものいう仕口』

著者
瀧下嘉弘 [著]/福井宇洋 [著]/月舘敏栄 [著]/長谷川健太 [写真]
出版社
LIXIL出版
ISBN
9784864805278
発売日
2019/09/17
価格
1,980円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

「ものいう仕口 白山麓で集めた民家のかけら」…文・瀧下嘉弘、福井宇洋、月舘敏栄 写真・長谷川健太

[レビュアー] 通崎睦美(木琴奏者)


所蔵・瀧下嘉弘、撮影・長谷川健太

 一方に、ホゾ(臍)と呼ばれる突起部を作り、もう一方にホゾが収まるホゾ穴を刻む。日本の伝統的な建造物では、こうして接着剤や金物を使わず木材を結合させてきた。直列に繋(つな)ぐことを「継手」、角度をつけたものが「仕口」。今なお受け継がれるこの技法は、8世紀の仏教建築が発達のピークといわれる。

 本書で紹介されるのは、仕口に惚(ほ)れ込んだ、古民家移築を手掛ける建築家瀧下嘉弘さんのコレクション。200~300年前の部材。

 大きな大黒柱の場合、一つの縦方向の材が、四方から差し込まれる梁(はり)や貫(ぬき)など横方向の材を受け止めるから、仕口は大変複雑だ。瀧下さんが愛する民家の仕口は、土地の材の持ち味を活(い)かし、丈夫で長持ちを目指したもの。粋な茶室や数寄屋にはない自然美が、堂々たる存在感を放つ。研究者による調査計測により、実際どのように組まれていたかの図説も興味深い。(LIXIL出版、1800円)

読売新聞
2019年11月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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