ハワイで生まれ育ったアメリカ人の著者は、子供時代に日系人のラーメン店でいなりずしなどの素朴な和食を「ごちそう」として食べていたという。こうした店はハワイだけでなく、アメリカ本土の都市部にもあり、「日本料理」として広く根を張っていた。では、和食はいつごろアメリカに渡り、誰がどうやって広めたのだろう。
この疑問に対して、アメリカの古い文献や資料にあたって挑んだのが本書だ。スパムむすび誕生秘話など興味深いエピソードを盛り込みながら、アメリカで和食、そして日系人が歩んできた歴史を丁寧に追っている。(中央公論新社・2000円+税)
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2019年12月15日 掲載
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