戸建でもマンションでも。都内で家を買うなら抑えたい3つのポイント

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東京で家を買うなら

『東京で家を買うなら』

著者
後藤 一仁 [著]
出版社
自由国民社
ジャンル
社会科学/経済・財政・統計
ISBN
9784426126124
発売日
2019/12/27
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

戸建でもマンションでも。都内で家を買うなら抑えたい3つのポイント

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

「家を買うなら、マンションがいいのか、一戸建がいいのか」

「場所に関しては、『専有面積が狭くても、利便性のよい都心』がいいのか、それとも『多少通勤に時間がかかっても、広い郊外』がいいのか」

「不動産会社の人に相談しても、先方に都合のいい物件を勧められそうだ」

「探すのも買うのも面倒だし、いっそこのまま賃貸物件に住み続けるべきか」

「家のことをなんとかしたいという思いはあるが、なにをどうしたらいいのかわからないから、とりあえずはこのままにしておこう」

たとえばこのように、家にまつわる悩みは尽きないものです。そして同時に、なかなか明確な解決策を見出すことができないものでもあるでしょう。

そこで参考にしたいのが、きょうご紹介する『[新版]東京で家を買うなら』(後藤一仁 著、自由国民社)。2014年に刊行され、大きな反響を呼んだ同名書籍の改訂版です。

著者は30年以上にわたり、東京を中心に不動産の購入・売却・賃貸・賃貸経営のサポート、コンサルティング、セミナー、個別相談などを手がけてきたという人物。

つまり本書では豊富な経験を軸として、家の購入に関して頭にとどめていおきたいことをまとめているわけです。

この本は、「家を買うなら、いつ、どのようなものを、どこに買うか」「失敗しない家選びのポイントは何か」がよくわからない人や、「今、すでにどこかの一戸建やマンションを買おうとしているが、本当にその場所の、その物件を買っていいのか、その買い方でいいのか、契約前にもう一度確認したい人」に読んでもらいたいと思い執筆しました。(「はじめに」より)

今回の新版では、全体的に情報を新しく改訂。

また、最近の価格と金利の状況下で住宅購入をどう判断すべきか災害安全性についてのノウハウ、さらには取り組みを行う自治体が増加している立地適正化計画など、知っておきたいさまざまなことが加えられています。

きょうは序章「家は今『買い時』か、買うならどんな物件がいいのか」のなかから、「住宅購入で幸せになるために必ず守るべき『3つのポイント』」をピックアップしてみたいと思います。

「幸せになる家選び」には、絶対押さえるべき3つのポイントがあるというのです。

① 資産価値

いざとなれば、すぐ「売れる(家をお金に換えたいと思った時にいつでも換えられる)」、「貸せる(得たい時に比較的すぐに収益を得られる)」ということ。(25ページより)

その家を10年後、20年後に売るとしたら、それなりに高く売れるのか

売るときの価格が常に住宅ローンの残債より上回っているか

貸すとしたら高く貸せるのか

賃料が月々の住宅ローン返済額、管理費・修繕積立金額、固定資産税等の合計額より上回っているか

資産価値については、これらが判断の基本となるそうです。

大切なのは、「資産価値がある家」を所有しているという安心感を持っていること

それさえあれば、人生で訪れるさまざまな出来事に対しても、精神的に余裕を持って対応していくことができるわけです。

そればかりか、住宅ローンを背負っているという精神的重圧からも、ある意味では逃れられることになるはず。

② 安全性

「命」や「資産」を守るために、災害などが起きた時に安全な場所・建物であること。(26ページより)

ご存知のとおり、マグニチュード7クラスの大地震が発生する確率は、30年以内に70%と発表されています。

したがって、これから家を購入する人は、住宅ローンの返済中に大地震に遭う可能性が高いということになるわけです。

とはいえ、たとえば同じ東京でも、エリアによって特徴はさまざま。

震度7の揺れに見舞われる可能性があると言われている場所がある一方、震度5弱しか揺れないとされる場所があったりもするということ。

だからこそ、重要なのは情報収集

そのエリアのことをきちんと調べ、大地震が起きたときに自分や家族の命を守れるのか、水災が起きたときに水没しないか、治安は悪くないかなど、その土地についての基本的なことを購入前に必ず押さえておくべきだということです。

③ 利用価値

「住み心地」「居住性」「利便性」など、不動産を利用することによる自分にとっての価値。(27ページより)

少し前までは、家を買おうというとき、自分にとっての「利用価値」だけで家を選んでいた人が多かったのだそうです。しかし、危ないのはそういうタイプの人。

失敗・転落していく人の大半は、普段は見えにくい「資産価値」や「安全性」のことをあまり考えないものだというのです。

自分にとっての「住み心地」や「居住性」を優先した「利用価値」だけを見て、それだけで家を買ってしまう傾向があるということ。

しかし「利用価値」だけでなく、「住み心地」「居住性」「利便性」なども考慮するべき

つまり、家についてはさまざまな角度から考える必要があるということなのでしょう。

これら3つの視点は、シンプルではあるけれども、家選びを成功させる大切なポイントだと著者は強調しています。

これらを押さえているかいないかによって、その後の運命が大きく変わることがあるというのです。

選ぶ家によっては、たとえ本人が意識していなかったとしても、自然に資産が築かれていくことがあるもの。

しかし逆に、10年も経たないうちに売却価格が半分以下になってしまうこともあるかもしれません。

そのため今後は、「自分が住んで快適であること」だけでなく、「安全であること」と、将来「資産価値が落ちない物件」を意識して選ぶという視点が重要だということです。(25ページより)

専門用語や難しいことばを使わず、わかりやすく書かれているところが最大の魅力。

そのため、初めて家を購入するという人でも「家選び」のポイントを無理なく理解できるわけです。

家を買おうと考えていらっしゃるなら、ぜひとも読んでおきたい一冊です。

Photo: 印南敦史

Source: 自由国民社

メディアジーン lifehacker
2020年1月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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