『「歯」を整えるだけで人生は変わる : 世界のビジネスエリートが成功するために必ずやっていること』
- 著者
- 井上, 裕之, 1963-
- 出版社
- 日本実業出版社
- ISBN
- 9784534057440
- 価格
- 1,540円(税込)
書籍情報:openBD
印象を左右する重要なパーツ。「歯」のメンテナンスで得られる3つのメリット
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
『「歯」を整えるだけで人生は変わる 世界のビジネスエリートが成功するために必ずやっていること』(井上裕之 著、日本実業出版社)の著者は、「仕事ができる人は『歯』についても関心の高い人が多い」という実感を持っているのだそうです。
たしかに、手入れの行き届いた美しいはの持ち主は、好感を持たれるもの。そういう意味で歯は、「外見=その人の印象」にダイレクトにつながる重要なパーツであるといえそうです。
また同時に、美しい口元は体を健康に保ってくれるものでもあるのだとか。
肩こりや腰痛など身近な不調から、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病やアルツハイマーなどの重大な疾患までを引き起こす原因のひとつが歯(かみ合わせや歯周病などの口内環境)の不具合だということが、最新の医学で次々と明らかになっているというのです。
ちなみに著者は、北海道・帯広で歯科クリニックを開業して以来25年もの実績を持ち、のべ3万人以上の患者と向き合ってきたという人物。
さらにはビジネス・自己啓発書籍の著者としても、80札以上の書籍を出版してきた実績を持っています。
歯科医師、そして著者――。このふたつの分野のプロフェッショナルとして本書でお伝えしたいこと。
それは、歯を適切にメンテナンスすることはすべての人、なかでもビジネスパーソンにとって必須のセルフマネジメントだということです。(「はじめに」より)
とくに海外をマーケットとして働くビジネスパーソンであれば、白く整った美しい口元は必要最低限「当たり前」のことだといいます。
そうした考え方に基づいて書かれた本書のなかから、歯とビジネスとの関係などについて触れた第1章「できるビジネスパーソンが『歯を大切にしている』理由」に注目してみたいと思います。
ビジネスパーソンにとって必須の「“本質”を理解する力」
歯についての本なのに、いきなり“本質”の話題とは意外な気もします。
しかし著者は、「歯を大切にする=適切なメンテナンスをする」ということは、「ビジネスの本質」だと主張するのです。そればかりか、「人生の本質」に向き合うことと同じだとも。
仕事を通じ、さまざまな分野で活躍する優秀なビジネスパーソンと接してきた結果、「優れたビジネスパーソンほど物事の本質を理解している」と感じたというのがその理由です。
本質を理解しているということは、「なにが根本なのか」を見抜く力を持っているということでもあります。
そして根本を見抜くということは、「物事に対して、もっとも効率的かつ効果的な手法を選ぶ」ということ。
つまり、「物事を進めていくために、やらなければならないこと」を見極めることだともいえるという考え方です。
そして当然のことながら、この「本質を見抜く力」は、ビジネスの現場においては非常に重要。
なぜなら、問題が起きたり課題が浮上したとき、表面的な現象にとらわれて行き当たりばったりの対策で取り繕うのでは、根本的な解決につながらないからです。
つまり、根本的な問題解決をするためには、まず問題の本質がどこにあるのかを見極める必要があるということ。(23ページより)
仕事ができるビジネスパーソンほど、歯科に定期的に通院している
だとすれば気になるのは、「なぜ“優れたビジネスパーソン=本質を理解する人”ほど歯をメンテナンスしているのか」ということではないでしょうか?
著者によればそれは、歯がビジネスパーソンとしての根本的な資質と密接に関わっていることをよく理解しているからなのだそうです。
歯が密接に関わっている“ビジネスパーソンとしての根本的な資質”とは、
・見た目
・健康
(26ページより)
このふたつ。それは、働いていくうえで欠かすことのできない「土台」でもあるといいます。
できるビジネスパーソンほど、「見た目・健康」が仕事のパフォーマンスを上げる「土台」であると理解しており、そこに注力するということが、成功するために必要な“本質”だと気づいているのです。
そして、歯を適切にメンテナンスすることが、「見た目・健康」に大きく影響すると知っているのです。(27ページより)
そして重要なポイントは、歯はきれいにしようと思えば、きれいにできる部位でもあるという点。
体のなかで唯一といっていいほど、自分の考え方次第でいくらでも整えられる部位だということです。
適切な治療を受けさえすれば、歯の状態は確実によくなるもの。
そして、きちんと投資をすれば、適切なリターンが得られることを、優秀なビジネスパーソンほど知っているというのです。(26ページより)
歯をメンテナンスするメリットは計り知れない
こうした考えに基づき、著者は歯をメンテナンスすることで得られる具体的なメリットを紹介しています。
・そもそも痛みがない快適な状態をキープする
・歯がもたらす体調不良から解放される
・自分の時間をお金をコントロールできる
・人前で笑うことが楽しくなる
・歯はグローバルで活躍するための“パスポート”
・体の管理をする=成功プロセスを学べる
(以上、30~36ページより抜粋)
なるほど、歯がもたらす具体的なメリットは意外に多そうです。
しかも、ひとつひとつは小さなことのようにも思えますが、それでいてとても重要なことだとも言えるのではないでしょうか?(29ページより)
歯に関する書籍は少なくありませんが、そんななかで本書が際立っているのは、ビジネスに寄ったアプローチをしていること。
つまりビジネスパーソンにとって、きわめて実用的な内容だと言えるのです。
Photo: 印南敦史
Source: 日本実業出版社