【気になる!】文庫 『ふしぎ地名巡り』
[レビュアー] 産経新聞社
山や岳、峰などがつかない山は240種類、「日本国」も▽町名なしの「一丁目」がある▽異様に見える「志布志市志布志町志布志」▽「マチ」か「チョウ」か町の呼び方の分布は-。
数百万、数千万ともいわれる日本の地名。中学時代から二万五千分の一地形図に魅せられていたという地図研究家の著者が、さまざまな地名の由来や意味などエピソードをひもとく。
地名のほか、駅、バス停の名前なども登場。「地名は過去の事蹟(じせき)を今に伝える『無形文化財』のような側面も持っている」という著者の信念。その熱い思いが行間から立ちのぼる。(今尾恵介著、ちくま文庫・720円+税)