報告書も企画書もスラスラ作れる。文章力を上げる「テンプレート」の作り方・使い方

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世界一ラクにスラスラ書ける文章講座

『世界一ラクにスラスラ書ける文章講座』

著者
山口 拓朗 [著]
出版社
かんき出版
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784761274597
発売日
2019/12/18
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

報告書も企画書もスラスラ作れる。文章力を上げる「テンプレート」の作り方・使い方

[レビュアー] 鈴木拓也

報告書や企画書など、業務上避けて通れない書類の作成に、いつも悩まされていませんか? こちらは数行書くにも四苦八苦するのに、同僚は時間をかけずにスマートな内容の文章を、ささっと仕上げてしまう。

実はこの違いは、「テンプレート」に沿って書いているかどうかの違いかもしれません。

文章力アップの早道は「テンプレート」

ここで言うテンプレートとは、文章の流れを決めるガイドラインやルールといったものを指します。いわば、文章の「設計図」。この設計図にしたがって書けば、今までの苦労が嘘のように、読む人も納得の文章が何倍も早く書けるようになります。

そんなテンプレートの活用をすすめるのは、「伝える力【話す・書く】研究所」の所長、山口拓朗さんです。

3種類のテンプレートさえ覚えておけばOK

文章術を教えるプロである山口さんは、著書『世界一ラクにスラスラ書ける文章講座』(かんき出版)で、最も使える3つのテンプレートを取り上げています。

そのテンプレートとは「列挙型」「結論優先型」「ストーリー型」。「適用範囲がとても広く、仕事で書く文章からプライベートで書く文章まで、さまざまな文章作成に使えます」と太鼓判を押す、無敵のテンプレートです。

本書の内容は、これら3つのテンプレートの解説が主体で、即実践に役立つ構成となっています。

今回は、山口さんのすすめるテンプレートが具体的にどういったものか、「結論優先型」を例に取り上げてご紹介します。

目次

「結論優先型」のテンプレートとは?

「結論優先型」のテンプレートを使うメリット

「結論優先型」のテンプレートを使うときのコツ

1. 結論で興味を引くように工夫する

2. 理由・根拠に信頼性の高いデータを入れる

3. 具体例・詳細には自分の体験談を盛り込む

応用編:「主張優先型」にアレンジしてみる

「結論優先型」のテンプレートとは?

結論優先型」のテンプレートは、最初に伝えたい結論を述べてしまい、その後で結論に至った理由・根拠→具体例・詳細→まとめる、の順に組み立てるものです。その一例がこちら。

寝る前の1時間は、スマホを見ないようにしています。

なぜなら、スマホの光を見ることで交感神経が優位になり、脳の興奮状態が続いてしまうからです。事実、寝る前に見るものを「スマホ」から「本」に変えたところ、びっくりするほど寝付きがよくなりました。

これからも就寝前の“スマホデトックス”を続けていきたいと思います。

(本書99ページより)

「寝る前の1時間は、スマホを見ない」が結論にあたります。その理由として、「交感神経が優位」になる点を挙げ、読書に変えたら寝つきがよくなったという具体例につなげ、「“スマホデトックス”を続けていきたい」とまとめています。

「結論優先型」のテンプレートを使うメリット

山口さんは、このテンプレートは読み手にとっても書き手にとってもメリットが大きいものだとしています。

まず、読む側にしてみれば、書き手の結論・主張が最初にあるので、頭に入りやすいというのがポイント。「人が文章を読む際、最も高い集中力を発揮するのが読み始めの数秒~数十秒」だそうで、ここで読み手の興味を喚起できれば、後の文章にも入っていきやすくなります。

書く側にしてみれば、最初に結論を書かねばならないので、「自分は何を伝えたいのか?」を明確にできるというのがあります。そうすることで、あとの文章が支離滅裂になるのを防ぐことができます。

「結論優先型」のテンプレートを使うときのコツ

1. 結論で興味を引くように工夫する

山口さんは、このテンプレートの使い方にはいくつかのコツがあると述べています。その1つが「結論で興味を引く」。

まず、以下の2つの書き出しを読み比べてください。

子どもの成績を伸ばしたいなら、必ず塾に通わせましょう。

子どもの成績を伸ばしたいなら、毎日、子どもに「靴磨き」をさせましょう。

どちらも結論には違いないのですが、続きを読みたくなるのは2番目の書き出しでしょう。

単なる情報伝達であれば別ですが、「読む人にとって“読みたい!”と思える」結論になっているかどうかはとても大事。

山口さんは、「読む人の興味を引くもので、なおかつ、何かしらの価値を提供できるものであることが理想」と説きます。

2. 理由・根拠に信頼性の高いデータを入れる

結論に続く理由や根拠は、科学的に立証されている事柄や客観的なデータを入れます。つまり「誰もが納得せざるを得ないもの」が、この部分には必要だと山口さんは力説しています。

たとえば、「朝、散歩をすると仕事の生産性が高まります」という結論(書き出し)を受ける理由・根拠が、「なぜなら、健康的だからです」では、読み手はついてこないでしょう。

逆に「なぜなら、太陽の光が網膜から入って視神経が刺激されることで、脳の覚醒を促すホルモンであるセロトニンの分泌量が増えるからです。このことは脳科学でも証明されています」というふうに書かれていれば、読み手も納得しやすいです。

さらに、山口さんは「数字で示せるものは数字で示すほか、データの信頼性を担保する記述も合わせて書くといいでしょう」ともアドバイスしています。「〇〇株式会社が20代の独身女性2000人に調査した結果によると~」といった具合です。

3. 具体例・詳細には自分の体験談を盛り込む

対して、具体例・詳細に盛り込む内容で「最強」なのは、自分の体験談だそう。

その理由として山口さんが挙げるのが、読む人の心に響くという効果。言い換えるなら、読む人が「他人の体験を、自分の体験としてとらえる」という追体験が心の中で生じ、“頭での納得”から“心への納得”へとシフトし、腑に落ちるのです。

加えて、体験のオリジナリティによる差別化が図れます。もし、自分の体験談がない場合や書けない場合は、他の人の体験談・事例を記しましょう。

応用編:「主張優先型」にアレンジしてみる

「結論優先型」のテンプレートは、一部をアレンジして「主張優先型」にすることも可能です。これは、結論の代わりに自身の主張を述べていきたい内容を書くのに便利

ですが、注意したいのが、主張には往々にして反論があることです。その対策として有効なのが「予想される反論へのケアをする」パートを加えるというもの。これは、具体例・詳細のあとに記し、そして最後に再び主張を述べます。

たとえば、「スモールビジネスのオーナーは、安易に商品を値下げするべきではありません」と冒頭で主張した場合。

その理由・根拠、具体例・詳細を書いたあとで、「もちろん、値下げに踏み切る事情もわからなくはありません。商品に自信をもてなくなると、強気の価格設定をすることにためらいが生じます(後略)」などと反論へのケアを添えます。

続く最後の締めくくりに「しかし、弱気の値下げが、長期的な利益につながるケースはほとんどありません(後略)」と再び本来の主張に戻ります。

コツは、反論を封じ込めようとするのではなく「反論への共感を示す」こと。これによって、主張に反発を感じている人でも、主張内容に全面的に同意する立場へと鞍替えする可能性も出てきます。

「結論優先型」を含め、3つのテンプレートを使いこなせるようになれば「あなたの文章に納得・共感する人は驚くほど増えているはず」だと、山口さんは説きます。

そうなれば、書くことにストレスを感じなくなり、文章はどんどん上達していきます。書くことに苦手意識を持っている方は、本書を参考にしてはいかがでしょうか。

Source: 伝える力【話す・書く】研究所, Amazon

メディアジーン lifehacker
2020年2月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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