堀本裕樹、ねこまき(ミューズワーク)著「ねこもかぞく」

レビュー

5
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ねこもかぞく

『ねこもかぞく』

著者
堀本裕樹 [著]/ねこまき(ミューズワーク) [著]
出版社
さくら舎
ISBN
9784865812213
発売日
2019/11/09
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

堀本裕樹、ねこまき(ミューズワーク)著「ねこもかぞく」

[レビュアー] 宮部みゆき(作家)

 数年前、長いこと一緒にいた猫に死なれたあと、ねこまきさんの絵を見ると、いつでもどこでも泣けてしまって困った。ねこまきさんの猫たちはキャラクター化されておらず、普通にそのへんにいる生きものの猫のままなので、かえって胸にしみるのだ。

 本書には広い意味での「家族」を題材にした数々の名句が収録されている。見開きの右ページに俳句とその解説、左ページにねこまきさんがその句をもとに描いたマンガという構成だ。堀本裕樹さんによる解説に、もっと俳句のテクニックとか季語のうんちくなどが盛り込まれていたら、立派な俳句入門書になりそうなのだが、そうしないのが本書の味なのかもしれない。

 全体に明るい読み心地なのですが、

 独り出て道眺めゐる盆の父

 死にたれば人来て大根煮(だいこた)きはじむ

 このへんのページは乗り物のなかで読まない方が無難でしょう。

 (さくら舎、1400円)

読売新聞
2020年2月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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