死んだら飛べる スティーヴン・キング&ベヴ・ヴィンセント編著

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死んだら飛べる

『死んだら飛べる』

著者
スティーヴン・キング [著]/ベヴ・ヴィンセント [著]/白石 朗 [訳]/中村 融 [訳]/安野 玲 [訳]/伊藤 典夫 [訳]/田口 俊樹 [訳]/西崎 憲 [訳]/矢野 浩三郎 [訳]/タケウマ [イラスト]
出版社
竹書房
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784801920118
発売日
2019/09/26
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

死んだら飛べる スティーヴン・キング&ベヴ・ヴィンセント編著

[レビュアー] 稲野和利(ふるさと財団理事長)

 コナン・ドイル、ダン・シモンズ、レイ・ブラッドベリ、ロアルド・ダール……。そこに並ぶ作家の名前に魅(ひ)かれて思わず手に取ったが、その選択は正しかった。

 本書は、飛行機にまつわるホラー、サスペンス、SFの17編からなるアンソロジーであり、書下ろし作品など初訳10編を含んでいる。航行中の飛行機の乗客全員を誘拐する目的とは? 旅客便飛行中に核戦争が勃発した時、機内の人々の反応は? 過去に短時間遡ることしかできない一方通行のタイムマシンは墜落の危機を救うのか? 航行中の飛行機化粧室内密室殺人事件の犯人と犯行方法は?

 収録作品の中で「轟音(ごうおん)をあげる死の殻」と形容された飛行機は、本編作品群において恐怖の源泉であり未知の世界との接点でもある。日常でありながら非日常でもある空間、それが飛行機内空間だ。編者はこのアンソロジーの編纂(へんさん)作業を「発見の旅」と称したが、読者にとっては「新たな恐怖を発見する旅」となる。

 くれぐれも本書を飛行機の中でお読みにならないように申し上げておきたい。白石朗、中村融ほか訳。(竹書房文庫、1400円)

読売新聞
2020年2月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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