江戸三座の「守田座」座元から明治期に近代興行の父として君臨した十二代目守田勘弥のほか、松竹・大谷竹次郎、吉本興業・吉本せい、大映・永田雅一、東宝・小林一三ら創業者。
近代日本の芸能史を代表する興行師5人の波瀾(はらん)万丈の生涯、興行の栄枯盛衰を演劇研究者の著者がドラマチックに描いている。
「興行師の嘘を商いという」「毀誉褒貶(きよほうへん)は興行師の華」などと称される世界。興行や役者・芸人の移籍などをめぐる〈権謀術数が渦巻く仁義なき戦い〉〈血と汗と金にまみれた争い〉に圧倒される。(笹山敬輔著、新潮新書・820円+税)
-
2020年2月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです