「ニッポン神様ごはん 全国の神饌と信仰を訪ねて」吉野りり花著

レビュー

4
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ニッポン神様ごはん

『ニッポン神様ごはん』

著者
吉野 りり花 [著]
出版社
青弓社
ジャンル
歴史・地理/旅行
ISBN
9784787220868
発売日
2019/12/27
価格
2,200円(税込)

書籍情報:openBD

「ニッポン神様ごはん 全国の神饌と信仰を訪ねて」吉野りり花著

[レビュアー] 宮部みゆき(作家)

 著者の吉野さんには、本書よりも前に『日本まじない食図鑑――お守りを食べ、縁起を味わう』という著書がある。まじない食とは、人が無病息災などの願いを込めて食べる縁起物のことだ。

 こうした「食べるお守り」の起源は、人びとが神様のお食事、「神饌(しんせん)」のお下がりをいただいたことではないか。そんな発想が出発点になって誕生した紀行ルポが本書である。米、酒、お餅、鹿肉に鮮魚、どぶろくやお菓子。訪ね行く先々で著者が出会った様々な神饌と、信仰行事を担う人びと。豊富なカラー写真に映し出されているのは、古代から続く日本人の食と信仰の歴史だ。たとえば上の写真は、滋賀県草津市老杉神社の、三の膳まである神饌である。

 京都の貴船神社や岡山の吉備津神社など、有名どころも登場する。これから旅行のご予定がある方には、「食」を通して神様を見つめ直すユニークな観光案内としてもお勧めしたい。(青弓社、2000円)

読売新聞
2020年3月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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