「青空」真島昌利・作詞 Botchy―Botchy・絵

レビュー

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「青空」真島昌利・作詞 Botchy―Botchy・絵

[レビュアー] 通崎睦美(木琴奏者)

 手触りのよい青い表紙と、巻末に収録された吉本ばななのメッセージに誘われ、手に取った。

 <ピカピカに光った銃で 出来れば僕の憂鬱(ゆううつ)を 撃ち倒してくれればよかったのに>。ここで、ロックバンド、ザ・ブルーハーツ「青空」の歌詞だと気付く人もいるだろう。かく言う私は、1989年、8万枚以上を売り上げたこのヒット曲を知らなかった。

 紅(あか)く染まる下地に、牛と男が向かい合う。<こんなはずじゃなかっただろ? 歴史が僕を問いつめる>。そんな言葉にはっとさせられる。

 絵は詩を説明し続けることなく、ゆるやかに寄り添う。メロディーにのせて歌う歌詞と、ページをめくりながら読む歌詞。普遍的に人の心を捉えるものは、形を変えても、心に響く。

 <生まれた所や皮膚や目の色で いったいこの僕の何がわかるというのだろう>(現代書館、1300円)

読売新聞
2020年3月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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