元編集者で文筆家の著者が、サイト連載をまとめたエッセー集の文庫化。ハジは「恥」でなく「端」。世界の中心に対する周縁、ハジッコ部分で生きてきたという半生を、正直に、潔く、惜しみなくつづる。
女子校育ち、人生ソロ活動、献血好きなどの生態から〈足が大きく、目が悪く、髪が短く、化粧と恋愛が下手〉のコンプレックスや世相、風俗まで。それらのテーマを探求する独特の視点や言葉、スピード感あふれる文章がクセになる。
文庫版用のまえがきとあとがき、フリーアナウンサー、宇垣美里氏の解説まで至れり尽くせりの一冊。(岡田育著、文春文庫・760円+税)
-
2020年4月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです