【児童書】『たべる たべる たべること』くすのきしげのり作、小渕もも絵

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たべる たべる たべること

『たべる たべる たべること』

著者
くすのき しげのり [著]/小渕 もも [イラスト]
出版社
おむすび舎
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784990951627
発売日
2020/02/12
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【児童書】『たべる たべる たべること』くすのきしげのり作、小渕もも絵

[レビュアー] 渋沢和彦

■感謝の気持ち忘れずに

 女の子の成長とともにさまざまな食事の場面が展開される。運動会では友達と弁当を分け合い、わいわいした昼食。おじいちゃんが亡くなると、すしを食べながらみんなで故人をしのぶ。やがて女の子は大人になり、恋人と語らい会食することで愛を確認する。そして結婚して子供が生まれ、母乳を与える。

 人は食べなければ生きることができない。家族で食卓を囲むことによって癒やされる。食事は生きる楽しみ。日常の出来事を例に、食べることの大切さを伝える。

 〈たべることは いのちを いただくこと〉〈たべることはかんしゃすること〉

 サラダになる野菜も、おいしい肉となる動物も、みな生きている。それをいただくときには、感謝の気持ちが必要だろう。まして食べ残して捨てることなどは控えなければならない。

 人は食べ物を摂取することで成長し、人との関係もつながっていく。優しい絵と簡潔な言葉で、食べることの意味を教えてくれる。親子で一緒に読むことをお薦めしたい。(おむすび舎・1500円+税)

 渋沢和彦

産経新聞
2020年4月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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