【聞きたい。】坂本光司さん 『日本でいちばん大切にしたい会社7』

インタビュー

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日本でいちばん大切にしたい会社7

『日本でいちばん大切にしたい会社7』

著者
坂本光司 [著]
出版社
あさ出版
ISBN
9784866671949
発売日
2020/04/05
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

【聞きたい。】坂本光司さん 『日本でいちばん大切にしたい会社7』

[文] 三保谷浩輝

■問われる経営者の生き方

 「こんなに続くとは思わなかった。少しは世の中の役に立っているのか…」

 中小企業経営論などが専門の経営学者、坂本光司さんが平成20年から刊行している『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズ。この春7冊目を刊行し、累計70万部を突破した。

 「大切にしたい会社」の条件は「経営者が業績より社員とその家族、取引先、顧客、地域社会、株主・支援者の5者を大切にし、5者もそれを実感している」こと。それを実現するリーダーの「背中と心」だ。

 シリーズでは、これまで調査で訪れた約8千社や、口コミを基に毎回「こんな会社があったのか」と驚くような企業5〜8社を取材し、経営のあり方、企業人の生き方を紹介する。

 今回も7社が登場。業績悪化にも「みんな家族」とリストラせず、高齢者、障がい者も含めたダイバーシティー経営を実践する機械メーカーは、亡くなった社員が「棺(ひつぎ)の中に会社の制服を入れて」と遺言を託すほど愛社精神を持たれている。また、社長が社員より低い年収で奮闘、自ら新商品を開発し、社員も一丸の建設会社、組合員の要望に応えた「ありえないサービス」で信頼される生協なども。

 「経営の目的は人を幸せにすることだが、多くは手段のはずの業績が目的に。そう教える経営学の常識を壊さないと。私も教員の使命として、正しい経営を教え、日本をよくしたい」

 折しもコロナ禍で企業、社員たちが苦しんでいる。

 「経営者は社員、その家族の命と生活を守るために蓄えを吐き出すとき。会社は家族。喜びも苦しみも分かち合うもの。今こそ経営者の生き方が問われます」

 シリーズを読んで「夢と希望」を持てたという主婦から「ずっと書き続けて」と背中を押されたことも。

 「『大切にしたい会社』はまだまだある。12年で紹介したのは40〜50社。このぶんだと、300歳くらいまで生きなきゃいけませんね」(あさ出版・1400円+税)

三保谷浩輝

   ◇

【プロフィル】坂本光司
 さかもと・こうじ 昭和22年、静岡県生まれ。法政大大学院教授、同大学院中小企業研究所所長などを経て、千葉商科大大学院商学研究科中小企業人本経営プログラム長、「人を大切にする経営学会」会長。

産経新聞
2020年5月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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