【児童書】『いつつごうさぎのきっさてん』まつおりかこ作・絵
[レビュアー] 本間英士
■いちご好きの娘も満足
小さい子供は実に不思議だ。親が勧める絵本などには見向きもせず、逆に「えっ、これにするの…」と思うものほど見たがる。わが家でも、教育に良さそうな絵本を読ませたがる親VSユーチューブのおもちゃ動画ばかり見たがる娘(2)の“仁義なき戦い”が毎夜繰り広げられるなか、双方が「これはいいね」と分かりあえたのが本書である。
物語の主人公は、家と喫茶店が一つになったかわいいトラックで旅をしている五つ子のうさぎ。ある日、一面のいちご畑を訪れた五つ子うさぎはいちごをどっさり摘み、喫茶店を開く。いちごのサンドイッチにフレッシュジュース、よくばりパフェ…。どれもおいしそうで、訪れたお客さんや迷子のこぐまも大喜びだ。
いちごを偏愛する娘は自らページをめくり、「これたべたい」とニコニコ。大人目線でもパステル調の絵がかわいらしい。巻末には作中に登場したいちごケーキのレシピも掲載。どんな味なのか気になる…。今度娘と一緒に作ってみよう。(岩崎書店・1200円+税)
本間英士