信頼されたい、評価を得たい。人の心を動かす「雑談力」の身につけ方

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人の心を動かす話し方

『人の心を動かす話し方』

著者
和田裕美 [著]
出版社
廣済堂出版
ISBN
9784331521694
発売日
2020/05/29
価格
1,650円(税込)

信頼されたい、評価を得たい。人の心を動かす「雑談力」の身につけ方

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

「人から好かれて信頼されたい」

「もっと稼げるようになりたい」

「多くの人から愛されたい」

「称賛と評価をもらいたい」

「自分を好きになりたい」

たとえばこうした思いがあるなら、「人の心を動かす話し方」を身につけるべき。なぜなら話し方は、自分の一生に関わってくるものだから。

そう主張しているのは、その名も『人の心を動かす話し方』(和田裕美 著、廣済堂出版)の著者です。

当たり前のことですが、本書でお伝えする「人の心を動かす」とは、あくまでもポジティブな方向に動かすということです。 怖がらせたり、悲しくさせたり、怒らせたりという、ネガティブな方向に動かすことでは決してありません。

目の前の人がもっと自分を好きになって、より元気になり、前向きな決意ができて、さらに行動していけるようになってもらうための話し方です。(「はじめに」より)

そのような考え方を軸にした本書から、今日は2章「空気をつくる話し方」内の「『雑談力』を身につける簡単な方法」に焦点を当ててみたいと思います。

「雑談力」を身につける簡単な方法

雑談は基本的に、「意味ナシ、落ちナシ、結論ナシ」の「3ナシ」でかまわないのだと著者はいいます。

つまりは、あくまでも「雑」でいいということ。重要なは、意味のないことを力を抜いて話すこと。

したがって、あまり考えないほうがいいというのです。もちろん、特別な知識も必要ナシ。

ちなみにここでは、雑談がスムーズにできるようになる2つの方法が紹介されています。

① 「いまこそトーク」

② 「情報収集トーク」

がそれ。これらの方法を体が覚えたら、雑談がサクサクできるようになっていくというのです。(80ページより)

① 「いまここトーク」――話題なんて気にしない

「いまここトーク」とは、その名のとおり「いまここ」にある話題を見つけ、とにかく話してみるという方法。

この場合の“いまここ”とは、いま目の前にいる人とともに感じていることだそう。

つまりは同じものを見たり、同じことを聞いたり、感じたりしている“同じ体験”について話すということ。

暑かったら「今日は暑いですね」。

壁にかけている時計に目が入ったら、「あの時計、すごいアンティークですね」。

とにかく今見ているもの、今感じたことを言葉にしてしゃべるわけです。同じ体験をしているからこそ、すぐに共感が生まれ、たいていの場合は相手から、

「いや~、本当にこの暑さは以上ですね」

「あの時計は136年前のフランス製なんですよ」

といったリアクションがすぐに返ってきます。

(82ページより)

また“暑さ”というキーワードに、ニュースの話題などを加えても話が広がるといいます。

「今日は39度らしいですね。熱中症で倒れる人もいたとか……」

「だから私、塩飴を持ってるんですよ」

「さすがです! 塩飴、いいですね! いつも持ち歩いているんですか?」

「今日からです。テレビでやってたんですよ。あ、おひとつどうぞ」

(82ページより)

もしくは、時計が相手の趣味だとわかったら、自分の知らないことに対して興味を持って聞くだけでもいいとか。

「136年前! それって日本が明治時代の頃ですよね……?」

「はい、骨董が好きなんですよ。やっと見つけて」

「骨董がお好きなんですか? いいですね! 私はよくわからないですが、あの時計はなんだか雰囲気があって釘付けになりました。どちらで買われたんですか?」

(82~83ページより)

こうした「同じ体験をことばにするだけ」でも苦手なのであれば、日常のなかでちょっと目にとまったことをその場でことばにして話すということを続けようと著者は提案しています。

そうすれば、知らず知らずのうちに雑談力が身につくというのです。(79ページより)

② 「情報収集トーク」――自分に興味がある人に人は近寄る

これは、相手の情報をあらかじめ仕入れておき、その話題を振る方法。

誰かに会うことになっていたとしたら、その人がブログやツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどをやっていないかチェックし、仕事や会社がわかるのなら、そのウェブサイトも確認。

こうした手間を惜しまないことが大事で、こうすることによって、

1 話題を切り出しやすくなり、自信がつく

2 「あなたに興味がある」というアピールになる

3 相手に喜んでもらえる

(84ページより)

といった効果が生まれるというのです。

そのため初対面の方に会う前には、必ず会社名か名前を検索し、興味を持ったり、もっと聞きたいと思ったことなどをメモしてから会うと、会話が続くようになるというわけです。

また、本やインターネット上で書かれていることについて「○○ですよね」と確認したり、さらには、そこに書かれていなかったことまでを質問すると、「よく聞いてくれた」と好感度が上がるそうです。(83ページより)

このように、書かれているのは決して難しいことではなく、すぐにでも活用できるものばかり。

話し方に自信が持てないという方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

Photo: 印南敦史

Source: 廣済堂出版

メディアジーン lifehacker
2020年6月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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