【気になる!】文庫『日本俗信辞典 植物編』
[レビュアー] 産経新聞社
260種類の植物について全国に伝わる「予兆・占い・禁忌・呪い」の知識や技術、民間療法、観天望気などの伝承(俗信)を、地域、類型とともに集大成。
たとえば、ヒガンバナを家に持ち帰ると火事になる(京都、大阪)▽ナスの夢をみるとよいことがある(福井など)・金が入る(長野)・子ができる(岡山)▽ウメの木を屋敷に植えると災難除けに(秋田)・不幸がある(岩手)…。
これらの俗信を通じ、農山漁村の人々の生活や自然・生命観にもふれられる。昭和57年刊『日本俗信辞典 動・植物編』が底本で、動物編の文庫も出ている。(鈴木棠三(とうぞう)著、角川ソフィア文庫・1560円+税)