自分が変わるためにはまず損得勘定をする。「一流の仕事」のつくり方

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損か得か いつもうまくいかない人生を変える18の思考法

『損か得か いつもうまくいかない人生を変える18の思考法』

著者
三浦将 [著]/飯田研人 [イラスト]
出版社
あさ出版
ISBN
9784866672069
発売日
2020/06/27
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

自分が変わるためにはまず損得勘定をする。「一流の仕事」のつくり方

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

不安があったり、満足できなかったりする人生を変えるためには、まず自分が変わることが必要。『損か得か いつもうまくいかない人生を変える18の思考法』(三浦 将 著、あさ出版)の著者は、本書の冒頭にそう記しています。

とはいえ、変わることにはリスクが伴うものも事実。しかも人間はリスクを嫌うため、変化によって得られるものが大きかったとしても、リスクを恐れる気持ちが勝ってしまいがちです。

そのため、「変わりたい」と思っていても変わることが難しくなってしまうというのです。

本書は、そんな現実をクリアするために書かれたようです。

この本の目的は、「人生において、どんな“損”をしているかを明確にし、損をしないために自分自身を変えるための第1歩を踏み出す」というものです。(「プロローグ」より)

しかも、根源から変わるために必要な18のことを厳選しているのだとか。

ちなみに著者は、大手広告会社、外資系企業を経て、現在はエグゼクティブコーチとして活動する人物です。

印象的なのは、著者が「自分を変えるための入り口は損得勘定でいい」と主張していること。

入り口が損得勘定だったとしても、続けていればそれが人間性を高める習慣となり、高められた人間性は、やがて自分自身の本質になっていくということです。

そんな考え方を軸とした本書のなかから、きょうは「仕事」に関連するトピックスを集めたChapter 3「仕事のやり方での『損』をやめる」内の「平凡転じて非凡となる」に焦点を当ててみたいと思います。

一流の仕事は基本の積み重ね

損:仕事の基本を適当にやる

得:仕事の基本を真剣にやる

(118ページより)

音楽やスポーツのみならず、仕事にも「基本」や「基礎」というものがあります。それらは、とても重要なものであるともいわれます。

でも、なぜ基本や基礎を優先すべきのでしょうか

答えは非常にシンプルで、つまり基本や基礎が「最も重要なこと」だから。決して「簡単なこと」ではないのです

事実、エグゼクティブコーチとして多くの人を見てきた著者は、いわゆる「一流の人」には「基本を怠らない」という共通点があると指摘しています。

彼らから、「一流の仕事というのは、基本の積み上げによって成り立つ」ということを痛感させられ続けているというのです。

もちろん、才能やセンスがあるからこそ一流になれるという側面があることも否定できません。

しかし、どれだけ才能やセンスがあったとしても、基本を怠る人には、継続してクオリティの高いものを提供し続ける一流の仕事などできるはずがありません

たしかに、出汁をきちんと取れない一流の日本料理人などは存在しません。

また、プロ野球で首位打者・最多打点・最多本塁打のいずれかのタイトルをとるバッターにしても、普段から人一倍素振りをしたり、足腰を鍛えているものです。

基礎ばっかりやらされているからといって、 「こんなこと、私がする仕事ではない」 「こんなことをしている場合ではない」 と言いながら、目の前にある仕事を適当にこなしてばかりいる人は、仕事の基本を怠り、そういったレベルの仕事でさえ、いつまでも本質をつかめないままです。

つまらないと感じる仕事でも、基本を怠らず、真剣にやれば仕事の本質が見えてくるのです。(120ページより)

たとえば、顧客への販売データを集計する作業は退屈かもしれません。しかしデータを集計している間に、数字から見えてくる顧客の反応を察知したり、さらに喜んでもらえる改善案が浮かんでくる可能性もあります。

そんなところからも推測できるように、基本を大事にすることで、仕事のレベルアップが図れるわけです。

つまらないと感じる仕事ばかりをやっていたくないのは、誰だって同じ。

でも、いま取り組んでいる仕事のほとんどがおもしろくない仕事だったとしても、それらをやらなくても済むようになるためには、真剣に取り組み、キラっと輝くような仕事をするべき

なぜならそうすることで、次のステップに進める時間が圧倒的に早くなるからです。(118ページより)

「いまよりよくなろう」という意識

「こんなことを成し遂げたい」とか、「こんな自分になりたい」とビジョンを持つことは大切

ただし、そのビジョンと現在の自分とのギャップを嘆いたり、現状の不満ばかり口にしていたりするのは、あまり建設的ではないと著者はいいます。

ここで、イチロー(鈴木一朗)さんのこの言葉を引用したいと思います。

「小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道」

多くの人は、遠くばかりを見ていて、肝心な足元がおぼつかないという状態になっています。すぐに成果を求め、手っ取り早くうまくいきそうなやり方に何かと手を出してはやめ、また別の方法に手を出してはやめということを繰り返してしまうのです。

これは、ダイエットや運動などを習慣化できないのと同じパターンです。 (123〜124ページより)

どんなに偉大な人でも、一足飛びに偉大になれたわけではないはず。あくまで基本を大切にし、一歩一歩真剣に前進している人こそが、望むべき未来にたどり着くということです。

そのためには、基本的なこと、小さなことをていねいに続けることが肝心。それは、どの世界にもいえることなのではないでしょうか。

また、一日の仕事の振り返りをする習慣も、結果を出すためには非常に大切だといいます。

振り返りをして、うまくいったこと、いかなかったこと、創意工夫をしたことなどをメモに残しておけば、記憶が定着するだけでなく、そこで新たなアイデアが出てくる場合もあるというのです。

基本や基礎は、たしかに平凡に見えるかもしれません。しかし、それらを大切にすることで、誰にも真似できない非凡な存在になることが可能になるのだと著者は主張しています。

これは、ビジネスパーソンが心にとどめておくべき重要なポイントだといえるでしょう。(123ページより)

もしも「変わらなきゃ」と思ったのであれば、いまの自分がどれだけ損なことをしているのかをきちんと把握し、少しでも損なことを得なことに変えていくべき。

そうすれば思いどおりの人生を生きられるようになるという著者の考え方は、きっと参考になるのではないかと思います。

Photo: 印南敦史

Source: あさ出版

メディアジーン lifehacker
2020年7月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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