『みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。』坪内祐三著 レビュー 産経新聞 [レビュー] (評論・文学研究) 『みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。』 著者 坪内, 祐三, 1958-2020 出版社 幻戯書房 ISBN 9784864882002 価格 3,080円(税込) ネット書店で購入する 書籍情報:openBD 『みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。』坪内祐三著 [レビュアー] 産経新聞社 今年1月に61歳で急逝した著者は、特異な感覚と人格をもった書き手だった。ひと言で表現するなら生まれる時代が遅すぎた。本人にもその自覚が明確にあり、「違和感」を武器に、誰に遠慮することなく文学作品と作家を論じ、語り、文学シリーズを編んできた。本書は毒と愛が複雑に混じった追悼文と雑誌ジャーナリズムへのオマージュを中心に編まれた評論・随筆集である。 山本夏彦の言葉ではないが、著者は自身を「半分死んだ人」と開き直り、酒を友に平成というおぞましい時代を駆け抜けた。その生々しい軌跡がここにある。(幻戯書房・2800円+税) 2020年7月19日 掲載 ※この記事の内容は掲載当時のものです 坪内祐三 産経新聞社 幻戯書房 みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。