東京・駒込の商店街を舞台に、「ベーカリー・コテン」の3代目、和久が自分の道を見つけるために奮闘する姿を描いた物語。
婚約者と連絡が取れなくなったOL、就職活動がうまくいかない大学生など、店にはさまざまな悩みを抱えた人が訪れる。ドーナツにカレーパン、カツサンド…。和久が作るパンは迷っている人に寄り添い、一歩を踏み出すきっかけになる。パンを通じて人の縁が結ばれていくのだ。
勇気だったり、安らぎだったり。おいしいものが与えてくれるのは栄養だけではない。読後は、できたてのパンを食べに行きたくなる。(ポプラ社・1600円+税)
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2020年7月26日 掲載
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