『ウイルスにもガンにも野菜スープの力』
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<東北の本棚>免疫力を高める食事術
[レビュアー] 河北新報
東北大特別招聘(しょうへい)プロフェッサーの著者が新型コロナウイルスの流行を受け、免疫力を高める食事術を提言した。野菜に含まれる成分の効果的な摂取が有効で、野菜スープがベストの料理法だと訴える。
著者は、ウイルスが体内に侵入すると白血球から放出される活性酸素に注目した。活性酸素はウイルスを撃退するが、過剰に増えると細胞を傷つけ、肺炎やがんの原因になる。活性酸素を抑えれば、ウイルスやがんを克服できる-と考えた。
活性酸素を抑える抗酸化作用がある物質を豊富に持つのが野菜。この物質はファイトケミカルと呼ばれる成分で色や香り、味の元になる。トマトのリコピン、ニンジンのベータカロテンなどがそうだ。
身近な野菜で摂取できるが、大切なのはいかに効率よく体内に吸収するか。野菜はすりつぶしても細胞壁が壊れず、ファイトケミカルを効率的に取り出せないため、サラダや野菜ジュースでは吸収されない。そこで著者は「野菜は加熱して食べるに限る」と主張する。熱を加えれば、細胞壁は破裂し、抗酸化力は最大100倍強くなるという。
お勧めが野菜スープを毎日飲むこと。レシピも紹介する。コロナ対策はマスクや手洗いだけではないことを分かりやすく解説している。(裕)
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