【児童書】『水の中はいつだって大さわぎ 海と川の生物図鑑』
[レビュアー] 三保谷浩輝
■夏休みの読書にも
海や川など水中にいる生物は陸上生物の10倍、1千万種類以上にのぼるという。それだけに水中は、生きるために懸命な生き物たちでひしめいている。本書では、そのなかから生態など特徴的な生き物77種を取り上げ、擬人化したユニークな漫画や写真、詳細な解説文で紹介している。
たとえば、食欲旺盛で、「海の掃除屋」とも呼ばれるダイオウグソクムシは、「6年間も、エサを食べずに生き続け」、しかもやせない▽ノコギリハギは、毒を持つシマキンチャクフグに似た外見から「毒を持っているふり」をして襲われないようにしている▽「日本一」長い名前の魚は17文字のウケグチノホソミオナガノオキナハギ(読むときは5・7・5で)-など。
本書は、「天空のオアシス」のコンセプトで知られる東京・池袋のサンシャイン水族館が初めて監修を手掛けた児童書で、同水族館で見られる生き物も多く登場する。データをはじめ情報も満載で、子供の夏休みの読書や、大人の雑学にも役立ちそうだ。(サンシャイン水族館監修 佐藤ワカナ マンガ・イラスト/大泉書店・1100円+税)
三保谷浩輝