宮田珠己著「ニッポン脱力神さま図鑑」

レビュー

5
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ニッポン脱力神さま図鑑

『ニッポン脱力神さま図鑑』

著者
宮田珠己 [著]
出版社
廣済堂出版
ISBN
9784331522882
発売日
2020/05/27
価格
1,760円(税込)

書籍情報:openBD

宮田珠己著「ニッポン脱力神さま図鑑」

[レビュアー] 仲野徹(生命科学者・大阪大教授)

 宮田珠己は旅するノンフィクションライターだ。というと、あの沢木耕太郎をイメージされるかもしれない。が、それは断じて間違えている。

 巨大仏を見に行ったり、石ころを拾いに行ったりと、なんだか目的がいつもゆるいのである。この本の内容も当然ながらゆるゆるだ。

 日本各地にある路傍の神々なのだが、無名どころか、名のない神ばかりだ。その総数323体に適当な名前を付けながら紹介していく。

 たとえば南九州の「たのかん(田の神)」だと、正統派たのかん、洗濯機たのかん、モンローたのかん=写真=、といったように。

 他に秋田の人形道祖神、津軽の鬼コ、肥前狛犬(こまいぬ)など。どれも地元の人の手作りで、良く言えば素朴で可愛(かわい)い。悪く言えばちょっとブサイク。でも、何ともいえない味がある。

 過疎化などで、こういった民俗文化も次第に廃れていくのだろう。見に行くなら今!なのかもしれない。(広済堂出版、1600円) 評・仲野徹

読売新聞
2020年8月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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