『受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基』樋口薫著
[レビュアー] 産経新聞社
昨年、将棋界で史上最年長の46歳3カ月で初タイトルの王位を獲得した木村一基九段(47)。何度も涙をのみ、挑戦7度目で初戴冠を果たした苦労人だ。本書は挫折しても立ち上がる「百折不撓(ひゃくせつふとう)」の半生を描いたノンフィクション。
涙もろさ、周囲を気遣う律義さ、トークショーでみせるひょうきんな一面…。人間味豊かな木村九段の魅力を浮かび上がらせた。
刊行されたのは6月下旬で、木村九段は7~8月の王位戦で藤井聡太棋聖(18)=王位=に敗れ、失冠。しかしその4日後、王将戦の挑戦者決定リーグへ勝ち上がった。物語は続く。(東京新聞・1400円+税)