【気になる!】コミック『スインギンドラゴンタイガーブギ(1)』

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

【気になる!】コミック『スインギンドラゴンタイガーブギ(1)』

[レビュアー] 産経新聞社

 戦後日本におけるジャズの“夜明け”を描いた漫画だ。舞台は昭和26年、米軍占領下の東京。心を患った姉の「仇(かたき)」である男を捜すため、姉のベースを背負い上京した少女・とらは、偶然の出会いがきっかけでバンドの即席シンガーとしてステージに立つことに。荒くれぞろいの米兵から「歌姫」と拍手喝采を浴びる。

 戦争の傷痕と貧困が色濃く残る占領下の日本。登場人物のギラギラした雰囲気が唯一無二の作風を作り上げている。作品を彩るのは往年のジャズの名曲。音楽に詳しくない人も魅了してしまう力を持った作品だ。(灰田高鴻(こうこう)著、講談社・640円+税)

産経新聞
2020年9月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク