『中古典のすすめ』斎藤美奈子著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

中古典のすすめ

『中古典のすすめ』

著者
斎藤美奈子 [著]
出版社
紀伊國屋書店出版部
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784314011525
発売日
2020/08/28
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『中古典のすすめ』斎藤美奈子著

[レビュアー] 産経新聞社

 一世を風靡(ふうび)したものの、歴史的評価はまだ定まらない“古典未満”の本。そんな「中古典」について、文芸評論家の著者が賞味期限を大胆に判定する。鋭い分析に納得したり、考え込んだり。議論を呼びそうな刺激的な一冊だ。

 扱うのは1960年代から90年代初頭までの48冊。黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』を貫く肯定力をたたえ、村上春樹『ノルウェイの森』の人気にバブル景気から疎外された人々の孤独を重ねる。〈中古典はときに眩(まぶ)しく、ときに恥ずかしい〉と著者。中古典を論じることは、時代を論じることでもあるのだと気づかされる。(紀伊国屋書店・1700円+税)

産経新聞
2020年9月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク