【聞きたい。】尼神インター・狩野誠子さん 容姿受け入れ、前向きに

インタビュー

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B あなたのおかげで今の私があります

『B あなたのおかげで今の私があります』

著者
尼神インター 狩野 誠子 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784046049698
発売日
2020/09/28
価格
1,430円(税込)

書籍情報:openBD

【聞きたい。】尼神インター・狩野誠子さん 容姿受け入れ、前向きに

[文] 黒沢綾子

 □『B あなたのおかげで今の私があります』

尼神インター・狩野誠子さん

 「B」とはずばり、ブスのこと。著者が実際、Bかどうかという議論はひとまずおいておく。

 〈もしかして、私ってブスなのかな〉。一人の少女が自分をBと認識し、劣等感からBを憎み、抗(あらが)い、やがてBを武器に芸人として世に出てゆく-。初の著書は、「誠子」を主人公にした私小説風のエッセーだ。

 「本が好きで、いつか自分でも書いてみたいと思ってました。でもこんなに早く夢がかなうとは…」

 お笑いへの情熱、恋愛観、家族や芸人仲間とのかけがえのない日々が、やわらかな筆致でつづられる。章ごとに笑いあり涙あり、オチをつけるのも忘れない。

 例えば、特技「乳首洗濯バサミ」で笑いをとる孫娘をテレビで見て、最愛の祖母が心配のあまり電話をかけてくるシーン。誠子は苦し紛れに口走る。「おばあちゃん、あれな、ほんまはやってないねん。実は、全部CGやねん」

 妄想恋愛漫才で人気の女性コンビ「尼神(あまこう)インター」のネタ担当。「導入から最後のオチまでの展開を考えて書くクセがついていたのは、自分でも発見でしたね」。とはいえ本書は「事実のみのノンフィクション」と太鼓判を押す。

 自分の容姿を少しずつ受け入れることで、誠子の人生の景色は明るく開けてゆく。「自分の心が強いから受け入れられたと思ってきたけど、今回書くうちに、周りの人の助けがあったからだと気づいた」と語る。先輩の女芸人に学ぶことも多い。「人の魅力は容姿やない。内から出るものだったり、ふるまいだったり、表情なんやなって」

 「ブスとヤンキー」の異色コンビも、少しずつ進化している。「徐々に(芸人として)奥行きを見てもらえるようになってきた」とほほえむ。相方・渚とは「最強の関係」。「たぶん、渚は私の前ではそっけない態度をとるけど、この本を読んで家で泣くと思います」(KADOKAWA・1300円+税)

 黒沢綾子

   ◇

【プロフィル】狩野誠子

 かのう・せいこ 昭和63年、神戸市生まれ。吉本総合芸能学院(NSC)大阪30期生。平成19年、「尼神インター」結成。23年、ABCお笑い新人グランプリ新人賞。29年から東京を拠点に活動。

産経新聞
2020年10月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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