英会話力があがる。覚えておきたいビジネスに役立つ「パラフレーズ」
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
『見るだけで英語が話せるようになる なるほど! 英会話フレーズ』(重盛佳世 著、総合法令出版)の著者は、大手スポーツアパレルメーカーを40歳目前で退社して渡英し、カンタベリーの語学学校で英語を基礎から学びなおしたという経歴の持ち主。
現在は執筆活動に加え、外国人向けアパートメントのコンシェルジュとしても活躍しているそうです。
現地の人々との交流を通じ、生きた英語を吸収するなかで気づいたのは、彼らの表現力の豊かさ。
日本語でもそうであるように、ひとつのことについて、いろいろな言い換え(パラフレーズ)をすることの意義を実感したというのです。
実は、英語を覚えるにはこのパラフレーズを使うことがとても効果的だったんです。
私も知らず知らずのうちに、パラフレーズを使って英語を覚えていました。
例えば「質問フレーズ」ひとつとっても、家族や友人の間ではカジュアルな言いかたをしますが、ビジネスの場ではフォーマルな言いかたをします。
また、日常生活でよく使う「暑い」などの表現も、少し暑いのか、とても暑いのか、我慢できないくらい暑いのかによって、使うフレーズは変わります。
こうしてシチュエーションに応じて言い換えるだけで、表現の幅が広がるだけでなく、新しい単語が芋づる式にどんどん身に付いていくんです。(「はじめに」より)
そこで本書では、日常でよく使われる52ものフレーズの言い換えを解説しています。
シチュエーションや強弱の度合いに応じてまとめられているので、すぐに使うことが可能。
Chapter 2「気持ちを伝えよう!」のなかから、ビジネスに役立ちそうないくつかのフレーズを抜き出してみましょう。
賛成(I agree with〜.のパラフレーズ)
I partly agree.
部分的には賛成ですかね。
I feel the same way. [カジュアル]
私も同じ考えです。
I’m with you. [カジュアル]
君に同感だよ。(直訳:「私はあなたと一緒です。」→「同感」に!)
★基本フレーズI agree with〜.の位置づけはここ。
I’m for it. [カジュアル]
賛成です。
(“I’m all for it”で「大賛成です」に)
You can say that again! [カジュアル]
まったくそのとおり!おっしゃるとおり!
Exactly!
そのとおり!
(フォーマルな場所では“Absolutely.”「もちろんだよ」を使用。どちらも「100%賛成」の意味だそうです)
I totally agree with your opinion.
君の意見に全面的に賛成します。
*totallyをcompletely(完全に)に換えたりすることも。
いちばん上が「まぁ賛成」で、下に行くに従って「大賛成」の度合いが高まっていくそうです。(50ページより)
反対(I disagree with〜.のパラフレーズ)
I don’t think so…[カジュアル]
いやぁ…そうは思わないけどなぁ。
I’m not sure about that.
それはどうかなぁ。
I’m against it.
反対です。
★基本フレーズI disagree with〜.の位置づけはここ。
My opinion is the opposite of his one.
私の意見は、彼の意見とは反対です。
I can’t go along with your idea. [カジュアル]
君の考えには賛成できない。
There is no way I can accept his opinion.
彼の意見はまったくもって受け入れられません。(受け入れる余地なし)
There is no room for argument more!
これ以上、議論の余地なし!(議論の余地なく却下)
いちばん上が「ちょい反対」で、下に行くに従って「大反対」の度合いが高まっていくそうです。(51ページより)
〜したい(I want〜.のパラフレーズ)
I feel like drinking water.
水を飲みたい(気分)です。
I would like to drink water.
水を飲みたいのですが。(wantの丁寧表現)
★基本フレーズI want〜.の位置づけはここ。
I would love to drink water.
水をとても飲みたいのですが。(I would likeをもっと強調した表現)
I can’t wait to drink water.
水を飲みたくて待てません。
I can hardly wait to drink water.
水をとても飲みたくてたまらない。(上のcan notよりもcan hardlyのほうがさらに強い)
I’m craving water.
私は水を欲しくて仕方がない。
*have a craving forでもOK。
I’m dying to drink water.
水が飲みたくて死んでしまいそう。
いちばん上が「願望」で、下に行くに従って「より強い願望」の度合いが高まっていくそうです。(51ページより)
〜したくない(I don’t want〜.のパラフレーズ)
I don’t feel like going out.
外出したくない(気分)です。(wantより少しやわらかい表現)
I wouldn’t like to go out.
外出したくないです。(wantの丁寧表現)
★基本フレーズI don’t want〜.の位置づけはここ。
I would never go out.
私は死んでも外出したくない。(「死んでも〜したくない!」という強い表現)。
*通常はI’dと略してOK!
*
本書は、英語がまったくダメな初心者から、長い間勉強しているけれど、改めてまた学びなおしたいという方にも役立つはずだと著者。
肩の力を抜いて学ぶことができるだけに、ぜひ参考にしたいところです。
Source: 総合法令出版
Photo: 印南敦史