チャレンジ――『首イラズ 華族捜査局長・周防院円香(すおういんまどか)』著者新刊エッセイ 岡田秀文
エッセイ
『首イラズ』
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チャレンジ――『首イラズ 華族捜査局長・周防院円香(すおういんまどか)』著者新刊エッセイ 岡田秀文
[レビュアー] 岡田秀文(作家)
新刊『首イラズ』の主人公の周防院円香(すおういんまどか)は、若く美しい未亡人、華族の最高位である公爵、鋭い推理力のみならず、不思議な霊感の持ち主、という女性探偵です。女性探偵は作者にとって初の試みでしたので、新鮮な気持ちで取り組めました。読者の方々にもお楽しみいただければ幸いです。
創作活動だけでなく、日々の生活でも、新たなチャレンジというのは大切ですね。
健康目的に筋トレをしているんですが、長年、同じエクササイズを続けているとマンネリ化してきます。そこで、サラリーマン生活をやめた時、「人間鯉(こい)のぼり」と「正面水平」という技の練習をはじめました(どんな技かわからない方はググってください)。どちらも会得に数か月かかりました。
あれから十年、また新しい技に取り組んでみようと思い立ちました。しかし、十年の歳月は残酷です。確実に老化は進み、肉体は蝕(むしば)まれ、気力の衰(おとろ)えも留(とど)まるところを知りません。
そこで十年前にも少しだけ練習し、完成前にやめてしまった「倒立」に再チャレンジすることに。「倒立」、つまりただの逆立ちです。
しかし、それだけではやはり面白くないので、やや難易度の高い「伸肘(しんぴ)倒立」(これもわからない方はググってください)も同時にやることに。ただの「倒立」は一、二か月で安定してきましたが、「伸肘倒立」はさっぱり形になりません。その後、体調を崩して、練習も中断したりしたのですが、ある日、とつぜんできるようになりました。一度コツをつかんでしまえば案外、簡単でした。振り返れば練習をはじめてちょうど一年が過ぎていました。
最近、何かと落ち込むことが多かったんですが、この歳(とし)で新しいことを成し遂げたのは大きな自信となりました。みなさんも何かにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。