『快楽としての動物保護 『シートン動物記』から『ザ・コーヴ』へ』
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『快楽としての動物保護『シートン動物記』から『ザ・コーヴ』へ』信岡朝子著
[レビュアー] 産経新聞社
海外ではカニやエビなど甲殻類を生きたままゆでたり焼いたりするのが法律違反となる国がある。「人道的でない」というのがその理由だが、背景には欧米を中心に広まった動物保護の考えがある。
本書は、欧米諸国で「常識」とされる動物保護の考えをさまざまな角度から検証。「自然を保護する」という考えが、実は世界共通の普遍的な価値観でなく、ある特定の時代の政治的・イデオロギー的背景のもとに形成された「特殊」な思想であることを解き明かす。多様な価値観が対立する動物の扱いをめぐり、日本がどう反応すべきか考えさせられる。(講談社選書メチエ・2200円+税)