思想家で、近代日本を代表するキリスト者・内村鑑三。その基礎的な研究に人生の大半を費やしたという著者が、40年以上前に着想した企画が文庫オリジナルで形となった。
「内村の多岐にわたる文化的、社会的人脈史」である本書。同時代に生き、内村の影響を受けた伝道者、政治家、文学者、実業家、公務員など各分野の二百数十人を収録する。
「内村山脈」とも評された面々の略歴などは最小限とし、「内村との関係」を中心に関連文献、やりとりなど多角的な視点から内村像を浮かび上がらせる。略伝、年譜も理解に役立つ。(鈴木範久著、ちくま学芸文庫・1300円+税)
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2020年11月1日 掲載
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