【気になる!】文庫『ゴースト』

レビュー

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ゴースト

『ゴースト』

著者
中島, 京子, 1964-
出版社
朝日新聞出版
ISBN
9784022649751
価格
704円(税込)

書籍情報:openBD

【気になる!】文庫『ゴースト』

[レビュアー] 産経新聞社

 東京・原宿の風格ある洋館で大学生が出会う少女、娘、初老の女との不思議な時間(「原宿の家」)。戦災孤児で事故死した後、何度も幽霊となってこの世に現れるケンタが、育児放棄された少女きららのもとにやってくる(「きららの紙飛行機」)。出征経験があり、少しぼけた曽祖父を時々訪れる「リョウユー」の正体にひ孫の千夏が迫る(「亡霊たち」)…。

 亡くなったものたちの心の叫びに耳を傾ける「7つの幽霊連作集」。最終話「ゴーストライター」のライターと幽霊のどこかユーモラスだが悲哀漂う会話にしみじみとし、死者への思いを新たにする。(中島京子著、朝日文庫・640円+税)

産経新聞
2020年11月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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