本のリストの本 南陀楼綾繁他著

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本のリストの本

『本のリストの本』

著者
南陀楼綾繁 [著]/書物蔵 [著]/鈴木潤 [著]/林哲夫 [著]/正木香子 [著]
出版社
創元社
ISBN
9784422930862
発売日
2020/08/27
価格
2,530円(税込)

書籍情報:openBD

本のリストの本 南陀楼綾繁他著

[レビュアー] 通崎睦美(木琴奏者)

 世間には、無類の本好きがいる。本紙読書委員にも委員会の度、獲物を狙う狩人のように本の山に挑む本好きの方がいらっしゃる。本書は、5人の本の虫が「本のリスト」をテーマに綴(つづ)ったエッセイ集。「私を作った10冊の本」を手始めに、48のリストが並ぶ。

 食いしん坊の私がまず開いたのは、正木香子による「装丁に惹(ひ)かれる料理本のリスト」。紹介される辻静雄が鎌倉書房から出版した4冊が欲しくなり、思わず古書店のサイトをチェックした。画家の林哲夫の「ランボーがアフリカで母親にせがんだ本」「漱石が英語を学び、教えた教科書」をリストする視点、「画家が読んだ本のリスト」における、36歳で早世した松本竣介の読書歴の紹介など興味深い。子どもの本専門店店長・鈴木潤の「子どもが自分にとっていい本を選ぶ力を育みたい」という思いに溢(あふ)れるリストは、子育て世代の本選びの参考になるだろう。

 本書に漂う和やかな雰囲気は、これが「番付」ではなく、単に「リスト」だからではないか。丁寧に撮影された美しい写真が効果的に配置され、随所に書物への愛が溢れている。(創元社、2300円)

読売新聞
2020年11月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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