『妻は忘れない』
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【気になる!】文庫『妻は忘れない』
[レビュアー] 産経新聞社
派遣社員の千紘(ちひろ)は結婚3年になる晶彦と順調だったが、3カ月前のある日から夫は変わった。そして、夫のバッグに隠されたものを見つけ、「私はいずれ、夫に殺されるかもしれない」と思うように(表題作)。
女手ひとつで娘と息子を育ててきた須崎は、ある日息子の元交際相手がけがをし、息子が事情を聴かれていると警察から連絡を受ける(「戻り梅雨」)。
「夫の骨」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞した著者の受賞後第1作。家族をテーマにした短編ミステリー5編を収録。いずれも日常に潜むサスペンスが描かれ、引き込まれる。(矢樹純著、新潮文庫・590円+税)