認知バイアス 鈴木宏昭著

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認知バイアス 心に潜むふしぎな働き

『認知バイアス 心に潜むふしぎな働き』

著者
鈴木 宏昭 [著]
出版社
講談社
ジャンル
哲学・宗教・心理学/心理(学)
ISBN
9784065219515
発売日
2020/10/22
価格
1,100円(税込)

書籍情報:openBD

認知バイアス 鈴木宏昭著

[レビュアー] 飯間浩明(国語辞典編纂者)

 ある人をダメな人間だと思うと、その人がダメなことをした場面だけに注意を向けるようになる。いい結果を出したのを見ても無視してしまう。自分の見方を確証するものだけに注意が向く「確証バイアス」。身近な人同士の間でもよく経験しますね。

 人間は、こうした「心の働きの偏り、ゆがみ」を生じやすい。いろいろな種類の偏りやゆがみを総称して「認知バイアス」と言います。ネット上にも玉石混交の解説があるけれど、本書では、認知バイアス全般についての基礎知識を学ぶことができます。

 男女がボールをパスしあう動画を集中して見ていると、画面にゴリラが出現しているのが目に入らない。「チェンジ・ブラインドネス」という認知バイアスです。このほか、人は多くのバイアスをかけてものを考え、見ているということに驚かされます。

 この認知バイアス、実は必要なものであることも説かれます。的確に推論する余裕がなく、直感で処理しなければならないこともある。認知バイアスのメリットを知って、うまく利用していくべきなのでしょう。(講談社ブルーバックス、1000円)

読売新聞
2020年11月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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