アスファルトで覆われた現代の町に降り注いだ雨は、いったいどこに消えるのだろうか?
道端の排水管からの雨水が流し込まれた中小河川が一定の水位を超えると、越流堤から巨大な縦穴に送られ、地下に広がる調圧水槽を経て海に近い大きな川に放流される。都市住民の生活を守る治水システムとそれを動かす人々を、丁寧に描く絵本だ。
断面と俯瞰(ふかん)図の組み合わせなど、各場面に工夫がこらされ、複雑な仕組みをわかりやすく理解させる。(アリス館・1400円+税)
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2020年11月29日 掲載
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