お葬式の言葉と風習 高橋繁行著

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お葬式の言葉と風習:柳田國男『葬送習俗語彙』の絵解き事典

『お葬式の言葉と風習:柳田國男『葬送習俗語彙』の絵解き事典』

著者
高橋繁行 [著]
出版社
創元社
ISBN
9784422230412
発売日
2020/10/16
価格
1,980円(税込)

書籍情報:openBD

お葬式の言葉と風習 高橋繁行著

[レビュアー] 通崎睦美(木琴奏者)

 著者は30年ほど前、近いうちに土葬の習俗が消滅すると感じたことをきっかけに、近畿を中心に昔の葬式の聞き取りを始めた。本書では、昭和12年刊行、柳田國男著『葬送習俗語彙(ごい)』から約180の言葉を抜き出し、自身の調査、考察を加えて解説する。各言葉に添えられた、著者による時にどこかユーモラスな切り絵は、あの世とこの世を橋渡しするようで不思議な雰囲気を醸し出す。

 行列を組んで歩き故人を弔う「野辺送り」や、死者を清める「湯かん」、仕事として葬儀で泣く「泣き女」など、耳馴染(なじ)みのある言葉も、解説を読めば新たな発見が多い。

 また「耳ふたぎ」「めでたい木綿」「穴掘り酒」「いも埋け」「善の綱」など、想像力をかき立てられる言葉の数々からは、かつての葬制や葬儀の習俗を知る。

 そういえば、着物の喪服で知人の葬儀にお参りしたら、ドラマ好きの友達に「愛人みたい!」とささやかれた。それも、もう20年前のこと。オンライン葬儀が登場した2020年、かつての日本人の死との向き合い方を知ることは、意義深いのではないか。(創元社、1800円)

読売新聞
2020年11月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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