『ニュータウンクロニクル』
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【気になる!】文庫 『ニュータウンクロニクル』
[レビュアー] 産経新聞社
1971年、郊外に開発され、入居が始まった「若葉ニュータウン」。その地元町役場に勤める小島健児は、新たな住民たちの集会で、ある母娘と知り合い、交流を持つようになる(「わが丘 1971」)。
人口急増で小学校が新設され、友達と離れ離れになる子供たち(「学び舎 1981)、バブル景気に踊らされる男と女(「プールバー 1991」)…。
ニュータウンに生きる人々のほろ苦い人生模様を、2021年まで10年ごとに描いた6編の連作短編集。登場人物が錯綜(さくそう)する仕掛けや、あすへの希望も込められた物語がうれしい。(中澤日菜子著、光文社文庫・680円+税)