ブックオフ大学ぶらぶら学部 武田砂鉄他著

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ブックオフ大学ぶらぶら学部

『ブックオフ大学ぶらぶら学部』

著者
武田砂鉄 [著]/大石トロンボ [著]/山下賢二 [著]/小国貴司 [著]/佐藤晋 [著]/馬場幸治 [著]/島田潤一郎 [著]/Z [著]
出版社
夏葉社
ISBN
9784904816349
発売日
2020/11/01
価格
1,430円(税込)

書籍情報:openBD

ブックオフ大学ぶらぶら学部 武田砂鉄他著

[レビュアー] 橋本倫史(ノンフィクションライター)

 1990年に創業されたブックオフは、日本各地に801店舗を数える。昔ながらの古書店と区別するため「新古書店」と呼ばれ、正面から語られることが少なかったが、本書にはブックオフへの偏愛がたっぷり綴(つづ)られる。

 どうして日本中にこんなにブックオフが存在するのか。それは「ブックオフが大量生産・大量消費の申し子だからだ」と、執筆者のひとり・島田潤一郎は記す。出版される書籍の数が増えるにつれ、新刊が書店に並ぶ期間は以前より短くなった。値段がつくものは古書店で探すことができるけれど、たとえばベストセラーとなった本は値段がつかず、姿を消してしまう。ブックオフは、そんな本のセーフティーネットになってきた。

 利用客にとっても、ブックオフはセーフティーネットのような存在だったと島田は論じる。そこは「行き場のない人たちが集い、カルチャーをなんとか摂取しようとしていつまでも粘る場所」であり、「一〇五円でなにかを手に入れることができる場所」でもあったのだ、と。ふざけたタイトルではあるけれど、ここに綴られるのは一つの文化論だ。(夏葉社、1300円)

読売新聞
2020年12月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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