『医療倫理超入門』
[レビュアー] 産経新聞社
SNSで知り合った京都在住のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者を安楽死させたとして医師2人が7月、嘱託殺人容疑で逮捕された。メディアで大きな話題となったこの事件、法律的な問題はさておき、もし自分がこの患者と同じ状況だったらどうしただろうと考えた人も多いのではないか。
本書では、安楽死や生殖補助技術などの事例を交え、医療倫理の考え方の要点を分かりやすく説明。技術の進歩や社会構造の変化で医療やケアに関する難しい決断を迫られる場面が増えているだけに、いざというとき「自分ならどうするか」考えるのに役立つ。(マイケル・ダン、トニー・ホープ著、児玉聡、赤林朗訳/岩波書店・1700円+税)