『希望を握りしめて』
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『希望を握りしめて 阪神淡路大震災から25年を語りあう』牧秀一編
[レビュアー] 産経新聞社
阪神大震災(平成7年)直後から25年間、「よろず相談室」として被災者を訪問し、孤独を防ぐ取り組みを続けてきた著者。のちの災害に役立てられればと、26人の被災者の語りを証言集にまとめた。
倒れたピアノが頭を直撃し障害者となった女性と家族、長時間生き埋めになった後遺症でいまも足の激痛に耐える男性…。震災の傷に苦しみ、行政の冷たさに涙しながらも、懸命に生き抜く人生が素朴な言葉で浮かび上がる。街の復興とは異なる速度で進む一人一人の営みは、何十年がたとうとも支援の大切さを気付かせてくれる。証言映像を収めた短編DVD付き。(能美舎・2500円+税)